日本が誇る国産の「木曾ひのき」。世界最古の木造建築群として知られる法隆寺をはじめ、伝統ある建物に用いられてきた高級材です。建材としては高気密、高断熱、高耐久性と、その優秀さもさることながら、細かい年輪や滑らかな肌触り、そして清々しい香りが時代を超えて私たちを魅了しています。最近は、木曾ひのきに含まれる成分「ヒノキチオール」が、ストレスやアレルギー症状の軽減につながると注目されています。
「100年住み継ぐ家づくり」を追求するもりぞうは、心地良い暮らしの実現のため、厳選した最高級の木曾ひのきを使った住宅を手掛けてきました。一人でも多くの方に木曾ひのきの素晴らしさを知っていただきたいという想いのもと、日帰りの「木曾ひのき体験バスツアー」(参加費無料)を企画しています。木曾路の歴史ある宿場町の散策から製材所の見学まで、木曾ひのきの魅力を存分に感じられる1日です。今回は、2018年11月25日に実施されたツアーの様子をレポートします。
11月25日、立冬を過ぎいよいよ冬到来かと思われましたが、とても暖かく天気にも恵まれました。今回のツアーには、24名が参加する盛況ぶり。集合は山梨県中巨摩郡の昭和住宅公園にあるモデルハウス前です(集合場所は開催するモデルハウスにより異なります)。
高速道路も渋滞せず快適な道中、パーキングエリアでのトイレ休憩を挟みながら、およそ3時間。最初の目的地、長野県木曾郡にある中山道42番目の宿場「妻籠宿(つまごじゅく)」に到着しました。古い街並みを保存した妻籠宿は、国の重要伝統的建造物保存地区に選ばれており、観光スポットとしても有名です。
ランチタイムには、ちょうどいい時間ということで、人気の御食事処「藤乙(ふじおと)」へ。美しい日本庭園に囲まれた宿として国内外の観光客ファンも多く、旅行者向けのレビューサイトでも上位の評価を得ています。
この日の昼食は、いわなの塩焼きがついた「ざるそば定食」。信濃の味を存分に堪能できました。
お腹も満たされたところで、1時間半ほどの自由時間。妻籠宿をじっくりと歩いてみました。
ふらりと散歩しているだけで、江戸時代の旅人気分を満喫できるのも妻籠宿の魅力です。
妻籠宿で中山道の歴史に触れたあとは、バスを15分ほど走らせ、「勝野木材」へ向かいます。勝野木材は、木曾ひのきの伐採から製造、乾燥までを一貫して行っている会社です。もりぞうの家づくりには欠かせない家の柱をつくっています。今年、創立55年目を迎える勝野木材ですが、創業以来、木曾ひのきの素晴らしさを後世に伝えるべく活動しています。
今回、木曾ひのきの魅力を余すところなくレクチャーしてくださったのが、勝野智明社長です。
まず、なぜ木曾ひのきが最高級木材とされているのかについて。実は、ひのきの生育には不遇な長野県・木曾ならではの環境が、高い品質につながっていると勝野社長は解説します。
「ひのきは九州や四国、北は福島でも生育しています。しかし、木曾ひのきは年輪がとても細かく、他地域のひのきと比較しても硬くて強いんです。それはなぜかというと、木曾の環境に由来しています。木は太陽の光を浴びて成長しますが、木曾ひのきが育つのは急な山肌と狭い谷。日当たりが悪いため、とても苦労して成長します」(勝野社長)
成長の速度が遅いため年輪が細かくなるそう。また、木曾ひのきは御嶽山の裾野に生育しますが、火山灰が堆積しているため表面は粘土質で水はけが悪く、さらに超酸性土壌でやせ地。つまり十分な栄養素がないところで育っているため、年輪の密度が高くなるそうです。
また、ひのきの樹液は強力な殺菌抗菌作用があり、山里に暮らした古の人々には薬として利用されてきました。その効能についても、明らかになっています。
「近年、ひのきが持つ効能については、ヒノキチオールという成分が含まれていることから科学的に認められています。雑菌類やカビ類の繁殖を抑える働きがあると言われています。また、心安らぐ香りは樹木から発散される「フィトンチッド」に由来すると言われており、リラックス効果もあることが分かっています」(勝野社長、以下同)
さらに、住まいを選ぶうえで検討したい要素である資産価値についても、「木曾ひのきが優位だ」と勝野社長は語ります。
「住宅の資産価値を左右する構造躯体は、人間でいう背骨です。そこが弱かったら、次の世代に引き継ぐことや、銀行がお金を貸してくれるような資産価値が残るかというとかなり厳しいと思います。これから中古住宅市場が盛り上がることが予想されますが、しっかりした建材を用いた家をつくっておけば、売ることもできます」
では、何を重視したらいいか、それはズバリ「年輪」だと勝野社長は断言します。
「年輪の密度と形状に、木の価値がすべて反映されます。年輪が均等に丸い木、そして年輪の幅が非常に狭い方が比較的強いです。もし木造住宅を考えていて、住宅メーカーに足を運んだら、ぜひ木材の断面を確認できるサンプルを見てください。年輪の幅が広い木は柔らかいため、構造材としては不安が残ります」
また、木曾ひのきは成長に時間がかかるため、希少価値が高いことでも知られています。
「日本で一番のひのきの産地は岡山県ですが、それにくらべると木曾ひのきの生産量は10分の1ほどです。年輪の幅が広いひのきが40年で成長するのに対し、木曾ひのきは80年ほどの時間が必要。しかし、それだけ風雪に耐えているので、強度が強く曲げの強さも5トンくらいまで耐えられます。木材は種類に関わらず、鉄やコンクリートより2倍から4倍強いと言われていますが、木曾ひのきはさらに強い木材なのです」
およそ1時間にわたる勝野社長のお話は、知られざる木曾ひのきの歴史から建材としての魅力までとても広範囲。知的好奇心を刺激される内容に、参加者の皆さんも真剣な表情で聞き入っていました。
お話のあとは、勝野木材の工場を見学しました。
ツアーのラストは、勝野木材のすぐそばにある、もりぞうの木曾モデルハウスへ立ち寄りました。木曾ひのきを贅沢に使用した家はくつろぎ感溢れる設計です。
木曾モデルハウスの見学を終え、出発地点の山梨県の昭和住宅公園にあるモデルハウスへの帰路につきました。
最後に参加者の方に、ツアーの感想を伺ってみました。
「ちょうど紅葉の時期で行きの景色が綺麗でした。勝野社長のお話からも、木への熱い想いが伝わり、今回伺えてよかったです。また機会があったら参加したいです」
「勝野社長の熱心なお話が印象的でした。木曾モデルハウスも拝見して、住むには快適な家だなと思いました。木造住宅のきめ細やかな説明を受け、木で建てるならもりぞうにお願いしたいです」
「勝野社長の木材に対しての考察も明確で、とても参考になりました。また、家を建てるとエアコンなどの電化製品を購入することになるかと思います。家の状態によって、床暖房やエアコンもふくめ何をどう買うべきか悩みますが、もりぞうの家は広さや設計にもよりますが、ひとつのエアコンでまかなうことも可能だということでした。
その点からも、木曾ひのきの素晴らしさを感じることができましたし、快適に過ごせる住まいづくりの仕組みを学べて非常に参考になりました。木曾ひのきは貴重ということで、初期費用はかかるかもしれないですが、後々のトータルコストを考えるととても優れた建材だと納得することができました。」
参加者も満足した様子のバスツアー。もともと木曾ひのきに興味をお持ちの方も、そこまで関心がなかった方もたくさんのことを学ばれたようです。木曾ひのき体験ツアーは定期的に開催されるようなので、興味がある方は参加を検討されてみてはいかがでしょうか。
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