2019.02.19
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こだわり

育ててきたプロに聞く、木曾ひのきの魅力とは

ヤマカ木材 山林部長の高須さん(写真=株式会社もりぞう)
ヤマカ木材 山林部長の高須さん(写真=株式会社もりぞう)

お客さまに、安心して長く暮らせるマイホームをご提供したい。100年経っても住み続けられる、そんな家づくりを目指しているもりぞうでは、建材にこだわり、住宅の柱に特選一等「木曾ひのき」を使用しています。

日本国内にはさまざまな種類のひのきがありますが、木曾ひのきには「木曾ひのきにしかない魅力」があります。今回は、もりぞうで使用する木曾ひのきを伐採している「有限会社ヤマカ木材」山林部長の高須さんに木曾ひのきの魅力についてお話しを聞きました。

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木曾ひのきは硬く強い。その理由は?

――まずは、ヤマカ木材についてどのような会社なのか教えてください。

高須さん:ヤマカ木材は、創業50年を超える「株式会社勝野木材」の山林部が独立して生まれた会社です。現在は、ヤマカ木材が山から木曾ひのきを伐り出し、勝野木材がその木を製材する、というように分業しています。私自身は入社から25年、木曽の山の中で伐採作業を行い、木曾ひのきと向き合い続けてきました。

「人生のストーリーを創る場」となる住宅に関わる仕事として、誇りを持って業務にあたっています。

――ヤマカ木材が伐採し、もりぞうの家の柱となる、木曾ひのきの特徴について聞かせてください。

高須さん:当社が伐採し、もりぞうの家に使用される木曾ひのきは、すべて樹齢が80年以上のものです。これは、『快適に長く住める家』をつくるためには、こうした長い樹齢を持つ強度の高い木材が必要だからです。木曾ひのきは、樹齢が80年を超えると強度が増します。実際に木を切っていても、樹齢80年を超える木曾ひのきは“硬い”ことがよく分かります。

ひのき以外にも住宅の柱に利用される木はいくつかありますが、木曾ひのき以外の木を伐っていると、途中で折れてしまうこともあります。ところが、木曾ひのきは伐採中に折れることはほとんどありません。

住宅用の建材としては、一般に樹齢50年ほどの木曾ひのきも使われています。しかし同じ木曾ひのきでも、樹齢によって強度が異なります。伐採の際には、樹齢による硬さの違いを体感します。また、木曾ひのきには粘りがあり、伐採する時になかなか倒れないという特徴もあります。

――なぜ、木曾ひのきは硬く育つのでしょうか?

高須さん:理由の一つに生育環境があります。木曾ひのきが育つのは長野県木曽郡の御嶽山北斜面で傾斜がきつく、しかも寒い地域です。冬には積雪が2メートルを超えることもあり、大変に厳しい環境の中で育ちます。

標高の低い、暖かく平らな地域で育つ木は、木曾ひのきと同じ樹齢であっても「太く、長く、やわらかい」という特徴があります。一方、厳しい環境で育つ木曾ひのきは同じ太さに育つには他産地の約3倍の年月がかかります。木曾ひのきと、暖かい地域で育った木の断面を比べてみると、年輪の幅にも違いが見られます。
 

木曾ひのきと他産地のひのき、スギの年輪の比較。木曾ひのきの年輪が細かいことが分かる。

年輪を繊維のかたまりと考えてみてください。年輪が広いということは、それだけ繊維の密度が低いということです。幅が狭ければ狭いほど、そこには繊維がぎゅうぎゅうに押し込められていている。つまり「硬く強い」木ができるわけです。
 

高須さんの作業現場。傾斜が急な山林での作業。

木曾ひのきと毎日向き合って知った、その魅力

――山の中で木曾ひのきと向き合う高須さんだからこそ、感じ取れる木曾ひのきの魅力があるのではないでしょうか。

高須さん:私自身、家を建てるなら、木曾ひのきを使いたいという思いがあります。なぜかというと、木曾ひのきは木材にすると、とても強く、そしてひずみがないのです。以前、家づくりのプロである大工さんに、「木曾ひのきは“狂い”が少ないから建てやすい」と教えてもらいました。

大工さんいわく、「木曾ひのきの木材は、削った状態で保管していても動かない」らしいのです。ところが、やわらかい木や反りのある木では、ホゾ(柱の接合部の凹凸)を切った後にそのまま置いておくと、「ずれてしまって家が組み上げにくい」のだそうです。

木には一本一本特徴があります。どんな木であっても、寸分の狂いなくまっすぐ育つということはありません。しかし、急な斜面で生育している木曾ひのきは、それぞれが太陽光を求めてわれ先にと競争しながら空に向かって伸びていきます。厳しい環境の中でゆっくりと、そしてまっすぐひずみなく育っていくのです。そのため、ほかの木材よりも反りが少ない木材となります。

住宅を外から見ても、木曾ひのきで建てられているのか、そのほかの木で建てられているのか、すぐには分かりません。しかし20年、30年経った時、まっすぐで強度のある木で建てた家と、やわらかく反りのある木で建てた家では、内部に違いが出てくるのではないでしょうか。私たちが出荷している木曾ひのきのように、品質の高い木材で家を建てると安心、というのは、こういったところからきているのだと思います。

――ひのきといえば、住宅以外にもさまざまなものに利用されています。こちらの木曾ひのきは他にどのようなものに形を変えているのでしょうか。

高須さん:小さいものでいえば、箸やまな板、家具といった木工製品にも利用されています。建築に関連するものでいうと、フローリングや壁といった内装材にもなります。最近では、学校や市町村の公共施設に利用されることも増えました。建造物では、神社仏閣も多いです。

――世界最古の木造建築である法隆寺もひのきでつくられていることで有名ですね。

高須さん:古くから建材としてひのきが選択されていることからも、住宅に向いている木だということが分かります。特に木曾ひのきは、強度がありひずみがないため、100年経っても安心して過ごせる住宅をつくれると思います。品質の高いひのきを使うことで1,000年以上残る建物がつくれるというのは、法隆寺が証明していますから。

木を伐採、売却して終わりではなく、住まう人に思いをめぐらす

――最後に、高須さんが木曾ひのきに込める想いをお聞かせください。

高須さん:私たちヤマカ木材は、山林部門として木曽の山から木曾ひのきを伐り出しています。その木を製材部門の勝野木材で柱材にし、それが職人の手によって「もりぞうの家」として組み上げられていきます。そのため、「木を伐採し、売却して終わり」ではなく、その先にある、この木を使った住宅に住まうお客さまについても思いを巡らせて作業を行っています。

注文住宅は、そこに住む人の人生を育む大切な場所です。自分が伐採した木が家になり、その家で人それぞれのドラマが生まれる。その場所をつくるための原材料を伐り出しているのだ、そういう誇りをいつも胸に抱いています。
 

モデルルーム(写真=株式会社もりぞう)

私たちは木を伐採するプロの集団です。林業自体、どのような環境にあっても技術や経験が必要なのですが、特に険しい山の中、厳しい環境の中で行う作業は一筋縄ではいかないこともあります。効率だけでいえば、標高が低く暖かい、里山で作業を行った方がいいのは確かです。しかし、「より良いものを」と追及すると、やはり険しく厳しい山の中で育つ木曾ひのきに、行き当たります。

私たちは、山に光が入るように、そして木が大きく育つように、間伐も行っています。これからも山とともにあるために、そして木曾ひのきを求めている人のために、技術を磨いていこうと考えています。

「100年住み継げる家」は木曾ひのきから

もりぞうでは、耐久性が高く材質の安定している樹齢80年以上の木曾ひのきを家の柱に利用しています。厳しい環境の中で生育する木曾ひのきは伐採後、約200年の間、強度を増し、その後長い時間をかけて元の強度に戻っていくと言われています。

強く、温かく、そして心地よい香りを持つ木曾ひのき。長く愛着の持てるマイホームを望んでいるのなら、木曾ひのきのような、高品質な木材を選んでみてはいかがでしょうか。

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