2019.01.16
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家づくり

高気密・高断熱で、冬でも暖かい家に。断熱材と工法の違いを知る

(写真=PIXTA)
(写真=PIXTA)

昔ながらの日本家屋は、湿気がこもらないようにするため、夏は涼しいものの、冬は寒くなってしまう設計の住宅でした。しかし、近年高気密・高断熱の住宅が多く建てられるようになり、一般的な住宅でも、夏は涼しく冬は暖かい快適な室温を保てるようになっています。とはいえ、どのような住宅会社で建てても同じように高気密・高断熱の家になるというわけではありません。

住まいの建築を依頼する側も断熱や気密性について理解を深めて住宅会社を選び、より過ごしやすい家づくりを追求していきましょう。

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暖かい家の基本は断熱

断熱性能が高い家と低い家では、同じ室温でも体感温度が異なります。断熱性能が低い家は、壁や天井、床部分の表面温度が低く、そうした部分に触れると体感温度が下がり寒さを感じます。断熱性能が高い家はこういった部分の表面温度が室温とさほど変わらないため、家のどこにいても暖かさを感じることができるでしょう。

家中どこでも暖かい家をつくるために、まずは断熱材や工法による断熱性能の違いについて見ていきましょう。

断熱材の種類と性能

断熱材にはいくつかの種類があります。

・断熱材の種類と特徴

  主な断熱材 特徴
鉱物繊維系 グラスウール、ロックウール ・吸音性があり価格も手頃だが施工によっては隙間ができてしまうことがある
・性能を高めるためには厚みが必要になる
木質繊維系 セルロースファイバー ・防音材としても使用されるほどの防音性を持つ
・断熱性能からすると割高
発泡プラスチック系 硬質ウレタンフォーム、フェノールフォーム ・薄型でも断熱性能が高い
・防湿性があり外張り断熱や床断熱も可能

断熱材は熱伝導率によって性能が数値化できます。この数値が低いほど断熱性能が優れているということです。以前は多くの住宅で利用されてきた鉱物繊維系のグラスウールの熱伝導率は0.033~0.050W/(m・K)ですが、断熱性が高い発泡プラスチック系のフェノールフォームは0.022W/(m・K)となっています。かつては価格が安いことで人気だったグラスウールですが、近年の高断熱の住宅には発泡プラスチック系の断熱材が選ばれるようになっているようです。

断熱工法による違い

住宅の断熱は全て同じ方法で行われるわけではありません。断熱材を壁の内側に職人が敷き詰めていく充てん断熱工法(内断熱)では職人の技術による差が生まれやすく、断熱材の間に隙間ができてしまったり、雑な施工で性能が十分に発揮されなかったりすることがあります。

一方で外張り断熱工法は、パネル系の断熱材で家を全体的に張り込むので、技術者の腕に施工の完成度が左右されることがなく、一定の品質を保てることが大きなメリットです。気密性も高くなり、まるで「魔法瓶」のように家全体の暖かさを保ってくれます。

冬の放熱を防ぐ窓の断熱

住宅の熱は開口部からも逃げていきます。特に外からの影響を受けやすい窓は、断熱性に優れ熱を逃がさず外気に影響されないものを選びましょう。窓の断熱性は、サッシとガラスの性能に大きく左右されます。

断熱性の高いガラスの選び方

1枚板でできた単層ガラスではなく、2枚のガラス板を使った複層ガラスを選びましょう。また、ガラスの間に充てんする気体によっても断熱性が変わります。空気ではなく、アルゴンガスなどの特殊ガスを充てんしたもののほうが断熱性に優れています。

断熱性の高いサッシの選び方

窓の断熱性を高めたいのなら、サッシ選びも大切です。アルミサッシではなく、より断熱性の高い樹脂とアルミの複合サッシか、樹脂サッシを選びましょう。

地域と気候によって変わる窓選び

関東以北の寒さが厳しい地方に家を建てるなら、太陽光と熱を住宅内に取り込めるガラスを選び、暖かい地方に家を建てるなら、日光による熱をカットできる窓を選ぶと、年中快適に過ごせます。潮風によって住宅が劣化しやすい地方なら、傷みやすい木製サッシは避けたほうがよいでしょう。

冬の暖かさには気密性も必要

気密性能が良くない家では、隙間風が吹き込んだり、室内の熱を外に逃がしてしまったりすることがあります。換気システムにも影響が出てしまうため、これから注文住宅を建てるのなら気密性にもこだわった設計・施工をする住宅会社を選ぶようにしましょう。どんなにいい断熱材を使用していても、気密性が低ければ意味がありません。

気密試験を行うのはもちろんのこと、基礎の気密にまでこだわっている会社だと安心です。基礎が高気密・高断熱だと足元からくる冷たい空気を感じることもなく、冬でも暖かな家になるでしょう。

建ててから後悔しないために最高の断熱を

建材や工法による断熱性能は着々と進歩しています。「ここまで必要ないかもしれない」と妥協してしまうと、後々「あのときにしっかり断熱しておけば」と後悔する可能性もあります。特に寒い地方では、断熱材や断熱窓の種類と特徴をよく知っておくことが大切です。20年後、30年後も暖かい住まいを目指し、高断熱の住宅にこだわってみてはいかがでしょうか。

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