注文住宅は理想の間取りやインテリアをかなえてくれます。しかし現在の希望だけを詰め込んだ家にしてしまうと将来思ったようなリフォームができないこともあるのです。廊下の幅やトイレの広さなど間取り全体を「長く住むことを考えた設計」にしておけば何年経っても暮らしやすい家を少しのリフォームでかなえることが期待できるでしょう。
そこで今回は、家を建てた後のメンテナンスやリフォームがしやすい家づくりについて紹介します。
注文住宅のメリットは、家族の理想通りの間取りやデザインができる点にあります。しかし現在の暮らしにばかり着目してしまうと10年後、20年後、30年後といった長期的視野では暮らしにくい家になっているかもしれません。せっかく長く暮らせる家を建てるのなら子どもが巣立った後、あるいは老後の生活にも考えを巡らせてみましょう。
例えば階段の幅や勾配について若いうちは気にならないものですが年齢を重ねるごとに不自由を感じてしまうかもしれません。リビングや寝室を広くしたいために廊下の幅を狭めてしまうと車いすでは生活できない家になってしまうこともあります。子どもが生まれ成長し巣立つ過程で部屋を増減するリフォームを行うこともあるでしょう。
あらかじめ間取りの変更を視野に入れて設計をしておけば、このようなリフォームにも簡単に対応できます。今から30年後の生活を想像しながら間取りを決めることでリフォーム時に余分なお金をかけることもなくなるのです。
具体的にどのような工夫を行えばよいのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
主に使用するトイレの面積は、なるべく広く取ることをおすすめします。なぜなら将来介護が必要になったときでも利用しやすいトイレになるからです。トイレの入り口は100~110センチメートル程度に、ドアはできれば引き戸にしましょう。
廊下の段差はできるだけなくしてバリアフリーにしておきます。廊下の幅は75センチメートルあれば車いすが通行できますが手すりの設置で廊下の幅が狭くなることを見越して少しゆとりを持たせておいてもよいかもしれません。居室のドアはすべて引き戸に、玄関の扉も親子ドアなど幅の広いものや引き戸にしておくと安心です。玄関ポーチにはスロープや手すりを付けられるようなゆとりを設けましょう。
廊下や階段の壁には、将来的に手すりを設置することを考えて補強下地を入れておくとリフォームの際のコストを抑えることができます。
変化するライフスタイルに合わせて柔軟に間取りを変えられるのが在来工法です。在来工法とは、木造軸組工法とも呼ばれる日本伝統の木造工法です。例えば、もりぞうでは、最初は子ども部屋として2部屋だった空間を子どもが独立した後に多目的スペースに変えることができます。さらに子どもが結婚して戻って来たときには2世帯での生活に対応できるように間取りを変更することも可能です。
将来的に子どもが欲しいけれど現在は夫婦2人という場合には、子どもが生まれた後に子ども部屋を作ることを検討しておきましょう。そのうえで夫婦2人の間は空間を広々と使えるよう主寝室を一続きの部屋にしておくことも可能です。
注文住宅の間取りを決める際には、年齢を重ねても安心して暮らせる住まいにリフォームできるようにライフプランとリフォームの必要性を照らし合わせながら考えてみてください。住宅会社や工法によっては、リフォームで自由に間取りを変えられないこともあります。新築時に将来を踏まえたプランにしておくと安心です。
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