住宅を新しく建てる際、それが注文住宅ならば、細かい部分にまでこだわりたくなるものです。しかし、マイホームは大きな買い物です。どのくらいの金額なら支払えるのかを考えて、資金計画を立てることが大切です。
住宅の購入予算は、現金一括で購入するのでなければ、主に頭金と住宅ローンによる借入額を合計した金額で計算します。頭金とは、住宅を購入する時点で必要となる資金のことで、現金で用意するのが一般的です。頭金の相場は、住宅価格全体の2割程度で残りの約8割程度は住宅ローンを使って借り入れての支払いとなります。
頭金ゼロで物件を購入する場合は、厳しい審査をクリアしたとしても月々の返済負担が大きくなり、同時に支払い利息の負担合計額も増えてしまいます。反対に、頭金の額を増やすと月々の返済額の負担を軽減させることができます。しかし、どちらの場合でも住宅を購入する際には、その他にも資金が必要になるという点も認識しておきましょう。
不動産の売買契約にはさまざまな手数料や税金がかかるうえに、生活家電やインテリアの買い換え、さらに引っ越しにもお金が必要です。また、病気やケガなど不測の事態が発生した際の生活費を確保しておくことも忘れてはいけません。
住宅ローンによる借入額を決めるにあたって、重要なポイントとなるのが「毎月、無理のない返済が可能な金額かどうか」です。その額が大きすぎると返済に追われるだけでなく、最悪の場合にはせっかく手に入れたマイホームを手放すことにもなりかねません。現実的に支払いが可能な範囲で住宅ローンを組むためには、年間の返済額を年収の25%以下に留めるといいとされています。
より負担を軽くしたいのであれば、年収の20%程度を毎年返済していくプランを組むと余裕をもって生活ができるでしょう。住宅ローンの返済をより現実的に捉えたい場合には、現状の賃貸住宅に支払っている家賃を参考に毎月の返済金額を考えてみてください。現時点で生活にゆとりがあるなら、少し多めに借り入れたり、月々の返済額を増やしたりすることもできます。
貯蓄を増やしていきたい場合は、「借入額を減らして負担を軽減する」などシミュレーションしてみるといいでしょう。将来の収入や支出を見据えたローンの借り入れ計画が重要となります。
住宅ローンを利用して注文住宅を建てるならば、その返済期間が長期にわたることを理解しておかなければなりません。返済期間を35年と仮定した場合、30歳からの返済ならば65歳で完済、40歳から支払うと75歳まで支払いが続きます。年を重ねると年収が上がることもあれば、転職や退職により収入が減ることも考えられます。住宅ローンの面からみると、マイホームはなるべく若いうちに購入した方がよいでしょう。
年齢が上がるごとに住宅ローンの審査が厳しくなってしまう可能性がありますので、なるべく早い段階での住宅ローン申し込みをおすすめします。定年退職後の返済が気になる場合には、その前に返済が完了できるよう繰り上げ返済を活用し、返済を老後にまで延ばさない資金計画を立てましょう。そのほか、生活や家族の形が変化するときも、マイホームを建てるいいタイミングです。
結婚、出産、子どもの入園・入学などに加え、介護に向けた親との同居など、生活環境に適した住宅に住み替えることで、暮らしやすさもアップするはずです。
こだわりを詰め込んだ注文住宅を建てるには資金が必要ですが、暮らしを圧迫するような住宅ローン返済では毎日の暮らしが楽しめないだけでなく、将来に不安が残ってしまいます。現在の収入と今後の収入・支出予想をシミュレーションし、予算と返済の計画を立てることが大切です。そのうえで家づくりに取り入れたい設備や、かなえたい間取りを具体的に考えていきましょう。
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